水田と生活用水の関係について
tak
【甲信越】
2014/11/15(土) 21:48:30
信州北部で比較的街に近い場所。ここで水田を減農薬に近い状態で栽培し、それを付加価値として高価格で米を販売したいということです。この周辺の用水路は付近を流れる川から取水しているのですが上流に80戸ほどの民家がありそのほとんどは浄化槽を持たない、生活用水の垂れ流し状態で現在に至っています。
一見、川の流れを見てもきれいに見えますし、数は少ないですが蛍も時期になると見かけることもあります。しかし時間帯によって用水路の水を堰き止めてみますと洗剤の匂いや、泡を確認することもできます。ここで質問ですがこのような環境で育てた米にそれほどの付加価値が付くものなのでしょうか。
さほど影響がないと言えばそれまでですが、それとも規模の違いがあるにしろ全国の水田はこのような環境、水質で栽培されているのでしょうか。
付加価値
2014/11/16(日) 19:48:31
まず、付加価値とはなにかを知らなければなりません。
この付加価値にも、いろいろな概念があります。
一般的には、収入(売上)-コスト(原価総合)=税引き前利益(純利益・所得)
御質問の場合には、高付加価値= JA供出価格 < 個人販売価格
の事と思います。
又一面として、価格(売買価格)は、需要と供給で決まり、時々刻々と変化します。 時として、規制統制価格やカルテル価格や品薄誘導価格(出荷調整制限価格)、右へ習え式の便乗価格も存在します。
そこで、戦略として、どのように仕組んで、需要を掘り起こし、高値へと誘導するかです。
概ね、売り手としては、価格が吊り上るように仕向けます。
マイナス要因は、あえて言いません、笑ってやり過ごし、買い手にゆだねられます。
プラス要因は、特に強調して買い手のインパクトを打ち込むように、積極的に働きかけます。
品薄等売り手市場なら、より強気になり、余剰満腹状態の買い手市場なら、切り返す工夫をしています。
では一体コメ市場は、どうなのか。ご当地のJAの熱意はどうなのか、そのその収穫したお米のランク付け順位はどの程度なのかを知らなくてはなりません。
無印の並み品米として流通しているのか。ブランド純米なのか、価格調整混合米用なのか。
簡単に言えば、JAは、一体いくらで、販売しているのか。どこの消費地へ。その消費地での人気は、どうなのか(売りやすいとか価格のランク順位とか、取扱い販売数量とか)・・・・流通の仕組みと人気度
では消費者側の態度はどうなのか。
美味しいコメは、当たり前のフレーズですが
私の知る限り、余程不味くない限り、美味しい米というものが何なのかを知っていない。美味いということを9割の人は、解っていない。
反対に、余程美味しくなければ、美味しいとは感じない。
食味としては敏感なようで、相当鈍感なものです。又逆に感情としては、鈍感なようで、素早く敏感反応します。
ごはんの調理として、美味しく炊き上げるといっても、
コメ自体の性質と水と炊飯器具や調理術の3要素が揃って、尚且つ、食べるタイミング(TPO)も重要な要素です。
人間だれしも、自己保身のため責任回避しますから、一番簡単な相手として、まず材料が悪いといいます。 つまりコメが不味いといい、クレームの総攻撃が始まります。それしか反撃する手段を持っていないからです。
ソフト的には、過去を振り返って、お袋のお握りは、旨かったとか田舎のお結びは、美味しかったとかいいだす。
では、その人の母親は、お米炊きが上手だったのかといえば、普通の人です。例え料理が下手であったとしても、旨いという。それで育ってきたからです。
それほど人間の舌や感受性というものは、悪い意味のいい加減なものです。好みもありますし。
外米はマズイものです。私も食えたものではないと思う。
しかし、外人に言わせれば、その母国米の方が断然に旨く、日本米はマズイという。又、外国へ行ったら、そのマズイ筈の外米でも、美味しく感じる。
私でも、旨いと感じるコメ(ごはん)に巡り合うのは、数年に一回あるか無いかです。 美味いごはんにありつけるのは、冷えても暖かくても同じ味がする。ご飯だけ食べたくなり、おかずが要らない。どのような豪華なおかずでもいらない、ただ単なるご飯だけお替わりしたくなる。
お腹が膨れても、しばらくすれば、再び食べたくなる。
このごはんを今逃がしたら、一生後悔すると思い込むようになる。
そのような美味しいご飯に巡り合うのは、一生の内でも、数回有るかないかです。
とすれば、どのような販売戦略を考えれば良いかは、質問者さんの熱意しだいです。
ごまかしは、いけません。長続きしませんから。 といって、正直すぎてもいけません。ややもすると買い手に、断り文句を押し付けることになってしまいますから。
いずれにしても、釣った魚に餌はいりませんが、鮮度を保つために、ストレスを与えない程度に、逃がさないように尚且つ長生きさせないと仕方がありません。
かといって、生簀に囲ってもいけません、放し飼いにしない事には、いつも辛く同じ事に関する努力をし続けなければならなくなるからです。
一日も早く、買い手市場を売り手市場に切り替えることです。
水質の問題は、全国的にどこでも、似たようなものです。
川の生物の多様性を観察すれば、解ります。
水辺植物の多様性とか
それ以前に、水道水が旨いか不味いか。ペットボトル市販品の水が美味しいと感じるかです。 浄水器の水が特別美味しいと感じるか。
次に、その収穫したコメが異臭がするのか。(洗剤の匂いがするのか)
なぜ毎年収穫時には、一番に、「新米」と表示するのか。2014年度産と書かないのか。 春まで「新米」と表示してある。新米の表示がなくなったと思えば、後数十日過ぎれば、もう次年度の新米が収穫されてくる。 正月過ぎれば、新米でも味が変わります。
ここ数年は、新米の方が表示の割には、値段が安い傾向があるように思います。古米の方が高い。
環境によるところも大きいですが、質問者さんの情熱しだいで高くても喜ばれる場合もあれば、安く買い叩かれながらクレームの印刷米となる場合もある。
又、商品に自惚れしてはならない、相手に惚れさせることです。
取り組み方しだいです。
付加価値
2014/11/16(日) 21:55:27
続編
お米のうまみ成分の基準表は在っても、お米そのものの旨味を測るものはありません。
まず、田んぼにより一枚一枚味は異なります。両隣でも違います。
次に、稲の育ち具合と収穫時期でも、微妙に変わります。
モミの含水率と乾燥の方法 や 脱穀(稲扱きと脱稃)の仕方でも異なります。
玄米の保存や精米の仕方でも異なります。 精米機の性能でも異なります。
おおよそ、この段階から、一般消費者に引き継がれます。
最近、巷の噂では、コンビニの弁当が不味くなったと良く耳にします。
市販の弁当は飽きてくるとは、以前から実感していましたが、
なぜ不味くなったのでしょうか。
その道のプロ?が、毎日チェックしているはずですのにね。
それを考えたら、如何に舌の感覚とは、悪い意味のいい加減な存在と解ります。
金太郎飴をしゃぶりながら、考えてみればヒントが浮かぶかもしれません。
又、スーパーでも、コンビニでも、陳列棚の争奪戦が勝ち負けを決めるとも噂されています。
同じ感覚で、身の回りを見渡してもたくさんあります。
赤いきつねVS緑のたぬきなども良く似ている。最近では、他のメーカーも取り入れている。
ラーメンの麺でも、工場で製麺してから、一時間毎に食味は変わります。四季や天候にもよりますが、昼ごろが一番おいしく思う。夕方には、まずくなる。
このようなもので、食べても違和感はないものの、食味が一致するものは、ほとんどないです。
という私は、食通でもなければ、グルメでもありません。又調理師であっても、料理人でもありません。
どちらかといえば、つまみ食い専門の調理師です。
音と臭いで、美味い不味いをかぎ分けています。
畑なら、風の音と自然の香りで、口に合うかどうかの程度は解るつもりです。
しかし、何かもっと旨いものは無いものかと常に思っていることには、違いありません。
素朴で質素なただ単なる欲望です。
今のお米の選択基準は、できるだけ新品種を選ぶようにしています。
以前は、故郷の田んぼ指定で、仕送りしてもらっていました。
その後は、友達に頼んで、農家の田んぼ指定で、送ってもらっていました。
ただ単なる、その時その時の判断基準が、コロコロと変わるだけです。
それ以外に、これといった拘りは、何もない。
会って面接をしたことはありませんが、玄米を一握りしただけで、その米粒の数と値段が瞬時にわかった人が日本には、過去に一人いたそうです。
tak
【甲信越】
2014/11/17(月) 21:26:15
付加価値様、丁寧なご返答ありがとうございます。米は野菜の中でも個人的な価値観に左右されやすいものかもしれませんね。銀座のデパートなどに並ぶ○s、○円といった通常の数倍もするようなお米があるのですがこのような米はそれなりの努力や生育環境の違いがあるとは思いますがやはり調理方法などで味に大きな違いが出てくるものと思われます。
物の価値観が本来のもの以上に風評やマスコミなどにより過大評価、過少評価されそれが結果として価格に反映されることは世の常だと思います。以前、目隠しをして米の価格による味の違いを当てるようなテレビ番組がありましたが回答者が見事にはずれを連発していたことが懐かしくもあり皮肉に思えてしまいます。
Guu
2014/11/18(火) 14:10:59
tak様
通りすがりですが・・・
倫理的側面を無くし商業的側面から言えば付加価値の本質は作られるものかと思います。
もっと簡単にいえば演出に購買者が納得し本来の価値より高く評価した部分が「付加価値」ということになるかと思います。
ですので、減農薬などを訴え購入者が慣行栽培ものより良いと思ってくれれば付加価値はついたことになります。
なので用水そのものに訴えるべきものがなければ、減農薬分の付加価値を演出で作ることになります。
逆にいえば減農薬を前面に出した演出をしなければ、付加価値はないかもしれませんね。
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