ノリウツギの挿し木

[園芸相談センター]の過去ログです

ユー 2015/03/21(土) 11:28:51
2月中旬ころ、ノリウツギの挿し木をしました。
保湿のためにビニール袋をかぶせておいたのですが、ビニールが温室の効果となってしまったのか、新芽が出てしまいました。
鉢底を覗きましたが、根はまだ出ていないようです。

ノリウツギを冬挿しすると、発根(植え替え)はいつ頃でしょうか?
また、これからどのように管理すればよろしいでしょうか?

ばんざいうさぎ 【北海道】 2015/03/21(土) 20:14:33
おそらくビニール袋をかぶせておいたことで土の中より、上の方の成長の方が優先されてしまっているのでしょう・・・。すでに根がちゃんとできていると良いのですが・・・。
生育期頃からの普通の土挿しだと、木の種類によっては芽が出てから根が出てくることもありますが(うちのバイカウツギの春挿しあたりがそうです)冬挿しだと芽が動いてしまうと根が伸びるのがもし遅れているならあまり良くなさそうに感じます・・・。
本やサイトなどに出ていた実施方法で「ビニールを使って保湿する」と書かれていたのでしょうか?それともご自分の考えで使ってしまったのでしょうか・・・。

お住まいの地域が解らなければ、冬挿しした時期がその地で適期だったかが解りません。挿し穂を採った親木の方の芽はもちろんまだ動いていないのですよね?
何号のどんな材質でどんな形の鉢に、挿し床にはどんな種類の土をお使いで、どのくらいの深さの挿し床に何本ほど挿してありますか?差支えなければ最終的には苗は何本ほど必要なのかも・・・。

保湿の目的は枝の方では無いですよね?冬は木の根は水分を吸う事をやめ樹液の循環が止まり休眠しますが寒さや乾燥から保護され枝も芽も枯れません。冬に切られた枝を使用の冬挿しなら、環境条件は冬の親木そのものとそれほど変わりません。土が何時も湿っているので土内の樹皮は常時湿っているくらい、屋外での枝の保湿は基本必要ないのです。

おそらく今回は土の保湿(土の乾きの速さを遅らせる)方が目的だったのでしょうが、冬挿しで「挿し床を乾かさない事」は大事なのですが、それは「今ある土の蒸発を防ぎ水分をなるべく長く留めておく」意味の方ではありません。「乾くのは自然に任せ、乾きすぎないよう頻繁に土の様子を見ておき、乾き気味の時には新たな水を与えてあげる」意味合いの方が強いので、水の蒸発を防ぐような保湿の必要はありません・・・。

通気性が良すぎる鉢の素材や風が強い所に置いていないかぎり、挿し床の土の中さえ適度に湿っているならビニールなどは不要、被せる事で逆効果になる事もあり鉢全体までも覆ってしまっていれば、土内まで暖かすぎたり、土の通気をも邪魔している可能性もありえます・・・。

方法をできるだけ忠実に守る事が大事ですが、過保護は良くありません。厳しい条件で生き残った生命力の強い物が良い株になります。甘やかして根を弱くしてしまうと後々手間のかかる虚弱な苗になってしまいます。

土内で、定期的に水分と空気の適度な交換が行われる事が大事と感じます。根が育つには土内にも新鮮な空気が入ってくるのが不可欠で、土は自然に乾かし古い水分と空気を追い出させてあげて、新たな水と空気を入れてあげる事が重要。(水を与える事により古い水と古い空気が押し出され上から周囲の空気が土に吸い込まれる)それが充分に行われないうえに古い水が留まる時間が余計長くなってしまえば徐々に酸素が減り良くない菌が殖えてきて土内の環境が悪化の方に向かってしまいます・・・。嫌気性の菌は一時的に殖えても新しい空気が入ればほとんど死滅して減ります。水遣り頻度が少ないほど良くない菌の悪さが続き、もしも挿し床の十分な殺菌が行われていないと菌の数は膨大に殖えます。切り口やカルス・根の、菌からの影響が免れない場合も・・・。

そんな理由などから根がなかなか伸びないでいて、そうこうしている間に土から出ている部分がビニール袋の温室効果で先に芽が動いてしまったのかも・・・。本当は根が出ているか確かめるのに一本犠牲にして軽く引っ張ってみるのが良いのですが・・・。多少でも根があれば抵抗があり抜けません。それなら大丈夫。
逆に根が無ければすぽっと抜けてしまいます・・・。

これから根が出てくれたりもっと伸びてくれるかは今後の芽の生長しだいかも・・・。芽が育てば育つだけ根が作られる方の養分が奪われ根が伸びず、十分な水分と養分を供給できない芽の方も弱っていき枝に残っていた養分を使い果たせば萎れて枯れてしまいます・・・。できるかぎり芽の成長は遅らせる事です・・・。運がよければ根の成長が追い付いて水分や養分が吸えるようになり、新芽が詰まって育ち生きのびれるかもしれません。でも根の成長が追い付かないままで終わる可能性もありますが・・・。

根の伸び具合を確かめるなら1本そっと周囲の土ごと掘って、傷つけない様に土をほぐして切り口を見てみる事でしょうね。もしまだ根が出ていなくても切り口が盛り上がりカルスが形成されていればこれから根が出てくれる可能性がありますが、芽が動いてるのに切り口にカルスさえも見られないならば、これからの発根は難しい事も・・・。根が出ているなら、根が途中で切れてさえいなければまたそっと植え直せば大丈夫と思います。

新芽が寒さに当たらない程度の場所に移動できるなら、もうビニール袋は外した方が良いです。それで新芽が傷まなければ毎日様子を見ておき、土の表面が乾いてきていれば土の中の湿り具合を確認してから(割りばしなど差しておくと、抜けば湿り具合が解ります)挿し床の容器の底から沢山水が流れるほど水を与えてから余分な水は切っておきます。鉢底皿などを使っているなら中に溜まった水は必ず捨てておく事。もしメネデールをお持ちであれば時々薄めたのを与えておくと、運が良ければ根が出てきたり、すでに根があればより伸びが良くなると思います。

通常の挿し穂の状態では無いので(芽が動くのが早すぎる)発根状況と時期は実物を見ずの予想はできないと思います。引っ張ったり掘ったりが枯れるかと心配で無理なら、やはりそのまま管理していき芽が萎れずに保てれば底から根が見えてくるのを辛抱強く待って、見え次第植え替えするしかないと思われます・・・。

次回からの冬挿しは最初からビニールは使用しない方が良いでしょうね。
私は大切な植物や増えにくい品種にはメネデールやハイフレッシュ、発根剤のルートンなどを使います。使える植物と使えない植物、使って効果的な時期や成績の良くない時期がある事もありますが、大丈夫なら成功率は格段に良くなってくれ、後の成長度合いが違います。

でも最近はそんなに珍しくもない至って丈夫な、失敗することもほとんどない様な物しか挿していないので、適当な土に適当な時期に沢山挿しておいて水遣りだけ気をつけ、根がすっかり出ているはずの時期まで待って、時間のある時に植え替えすることも多いです。

こちらは本当の冬挿しは実質無理なのですが、気候を考えればこちらの早春時期の挿し木に近いと思います。我が家ではバイカウツギの枝を雪に埋もれている部分が出て来しだい不要な枝を切り落とし、その枝を節の数を考えながら何本かに切り分け土に挿しておきます。
挿した数の半分くらい根が付けば良しとして、予想より多く根付けば元気で芽が出るバランスの良いものだけ残し、良くない物は捨てます。最初から枝ぶりが悪いと鉢植えの一株仕立に作るには剪定でもなかなか修正しづらいので。地面植えで将来は複数本仕立てにするのなら使えるのですが複数本仕立ては親木だけでもう充分。
挿し木苗は有望そうな物だけ残して好みの大きさまで育て花を咲かせ楽しみます。選抜落ちは小さいうちに花友さんとの他の植物との交換に、育ちすぎた株はもっと大きな鉢に植えられる人や庭に植えられる人に譲ることが多いです。

ばんざいうさぎ 【北海道】 2015/03/21(土) 20:25:56
追記
すみません、普通の木の感覚でカルスの事を書いてしまいましたが、枝の節からも根が出てくる性質があるものなら切り口の方はほぼ切ったままの事もあるかと思います。ノリウツギの挿し穂の場合切り口にカルスが形成されていない事もあるかもしれません・・・。


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