においすみれの香りがなくなってしまった
自給自足
2015/03/18(水) 22:49:30
こんばんは、昨年知人にいただいたにおいすみれ、とっても良い香りを出していたのですが、今年になって再び開花が始まり喜んでいますが、
全く香りがしなくなっているのです。
あの、すばらしい香りはもう望めないのでしょうか?
育て方は、軒下管理で葉は緑のまま冬を越しました。
尚、冬の間は施肥を行っておりません。
よろしくお願いいたします。
ばんざいうさぎ
【北海道】
2015/03/21(土) 17:17:01
ニオイスミレが大好きで20年以上いろんな品種を栽培しています。それで栽培しているうちに感じたのは、ニオイスミレはその年の天候に花が左右されやすいと言う事。
開花自体は毎年ちゃんとするんです。でもその年の開花中の気候などにいろいろと左右されやすいのが結構ありますね・・・。気温が例年より低いと花色が鮮やかにならずに元々は鮮やかなピンク色で咲くのが紫色の多い地味な色合いで咲いたり、気温が高すぎれば花色が褪せてしまったり・・・。
蕾の開き始めだと香りがまだ飛びにくい事なら普通の事なのですが、咲いて何日も経っているのに香りが感じられないのなら、そんな風に温度が関係しているのでは?と感じます。
失礼ながら、いつの間にか香りが感じにくい症状になっていたり、花粉症などの症状をお持ちではないですよね?問題ないなら失礼な質問をしてすみません・・・。他の香りは弱めでもちゃんと感じる事が出来るのなら大丈夫と思います。
医学的な症状で、香りの強いお化粧品などをご自身やご家族が長期間使っていると、強い香りが慢性化してしまい鼻の匂いセンサーの働きが鈍ってしまって去年は感じられた香りが今年は弱く感じたり全く感じられなくなると言う事はあり得ます・・・。
元々香りと言うのは気温の低さ高さや湿度の具合で飛ぶ量が変わるので鼻での感じ方も変わります。なので屋外で同じ時期でも去年は気温が高くお天気が良かったのなら良く香ったのでしょうが(知人の方から開花状態で頂いたなら暖かい環境から持ってきたのかも)、今年は気温が低かったり天気が思わしくないなら香りが弱かったり感じられない事もあります。まだ満開になっていないのなら、これから晴天が続けばお昼の微風程度の時に多少は香ってくれるかもしれません。花が沢山咲いていれば数輪摘んで、家の中で小さな容器に活けておくだけでも香ってくることがありますよ。
軒下が南側であれば比較的昼間高温になりやすいので(軒下以外、南側以外ならまだ時期が早く難しいかも・・・)まだ間に合うと思いますがこればっかりはお天気の気分しだいですよね・・・。
私の家は元農家なので敷地が広く同じ品種のを何か所か場所を変えて植えたり鉢植えにして置いたりしていますが、同じ年でも場所によって同じ品種の花色の出方や香り方に違いが出ます。気温の低めな良くない年は南側よりも東側の朝日が当たる場所の方が花色も香りも早く良くなります。これから沢山殖えてくれば別の場所にも植えてみたり鉢植えの置き場所を変えてみるのも、香りを楽しみやすくするための手段ですよ。
特に、最低一鉢は株からランナーからの子株が出来ている3年株くらいので前年に鉢植えを作っておくと良いです。まだ屋外では温度が低そうなら室内に置いておくと早く綺麗に咲いて良く香るようになります。一度鉢植えにした株は開花後は必ず植え替え、出来るだけ屋外に置く様な大きい鉢(浅くて良いので口の広い物)に植え替えるか、地面植えにしてあげてあげて下さい。
それと、植えた場所の土や肥料によっては花の香りが弱まる事があると思います。元々は野の花でそんなに園芸化されていない植物ですからあまり養分は必要としません。園芸化が積極的に行われた系統によっては改良によって香りが失われた物もあるくらいです。有機物多めな保水性の良い土にさえ植えていれば別段成長期でも肥料は必要としません。うちでは木の下に自分で生えてくることが多く全く肥料を与えませんが、野鳥のフンやミミズのフン、根元の暗がりに住み着く昆虫の死骸などで養分は充分とれている様です。香りのある植物は肥料が多いと香りが弱くなる傾向が強いので、ニオイスミレも成長期に肥料で養分を与えすぎると成分の偏りなどで香りが弱くなる事もあるかもしれませんね。土に地力さえあれば過保護にする必要はありません。
反対に水はけの良い土質は苦手です。土によっては水はけが良いと保肥性も低くて肥料分など養分が土に充分留まらずどんどん下に流れ落ちてしまう事も・・・。
私の場合はその原因(川の堤防横に住み川砂主体の庭土だった)で以前住んでいた家の庭ではニオイスミレが定着しませんでした。今の家の周囲は昔川があり周りに湿地があったのを埋めて土壌改良した所なので、以前の家で育ち易かったスミレや他の植物はこちらに越してからほとんどが消えました。反対にニオイスミレの近縁種にあたるアオイスミレが元々庭の雑草として生えているくらいなのでニオイスミレにはとても快適な土地な様です。特に前にバードテーブルがあった真下のヒマワリの殻が何年分も堆積している所が土では無いのにお気に入りでよく殖えました。確かに適度な湿気と通気があり野鳥のフンも含まれていて最適な環境だったようです。
生育期の成長にそれほど問題は無い様ならあまり肥料は与えない方が良いです。土に有機物が少なそうなら、腐葉土や自家製堆肥など入れて土壌改良をすれば、ランナーが出やすい品種なら目に見えて殖えてくれます。
早く沢山殖やしたいのなら、春の遅くくらいに根元に丸い「閉鎖花の実」が付きますから、これから熟した種子を採って(熟していると実を摘まんで軽く力を入れてみると簡単にパカッと開き種子がこぼれます)種子が乾かないうちに生やしたい場所にばら撒いておくと、そこの環境が合えば翌春に芽が出て育ちます。
花が咲いた後に付く実から採れる種子はなるべく付けさせない様に、花が終われば実にならないうちに皆摘んでおくと良いです。
ニオイスミレは海外だとバラ並みに栽培の歴史が古くて遺伝子が複雑な品種も多いので、花から実った種子だと自家受粉であっても親と特徴や性質が違う物も出やすく、花色が違って咲いたり(汚い色のが咲くことも)香りがほぼ無い物も出てきてしまったりします・・・。うちでも品種を多く栽培しているので群生の中に実生で変な花色のが咲いていたり、別の品種と自然交配してしまう事もあります。
親とほぼ同じ性質を持つ株が育つのは根元に実る「閉鎖花の実の種子」とランナーでの栄養増殖だけですので、今の特徴や花色を維持するために花からの種子はなるべく付けさせない方が良いですよ。
また、ニオイスミレの種子はいったん乾燥させてしまうと休眠してしまう性質が強く、乾燥させてから蒔いても発芽率が極端に低く全く生えない事も珍しくありません。何年も経ち忘れてしまってから休眠がとけて生える事もありますが、それだと途中で蒔いた鉢の土を乾かしてしまったりでダメにすることも多いので、種子は実から出したらすぐに蒔いてしまいましょう。育苗箱やビニールポットに蒔いておくと翌春の発芽率が良く苗の時の植え替えも楽です。スミレ類の種子は一度寒い温度に長期間当たらないと芽がでません。乾燥したまま寒さに当てても意味がなく、湿った種子を寒さに長く当てます。その点からも乾燥させた種子を蒔くのより、実の種子が熟したらすぐに「取り蒔き」して屋外に蒔いておく方が芽が出やすいのです。
スミレ類の多くは実が爆ぜて種子を飛ばす種類が多数ですが、ニオイスミレの場合は爆ぜずに真下に種子を落とします。アリとは共存関係で、アリに巣まで種子を運んで貰います。アリは種子の外側の付属物を食べ種子自体は余所の場所に捨ててしまいます。その種子が捨てられた環境を気に入ると発芽し、3年も経てばいつの間にか思いもしない場所で花が咲いてたりします。人が植えた株だと場所の環境が気に食わないと1〜2年で枯れてしまう事も珍しくないニオイスミレですが、アリに運んで貰い芽生えたものはとても良く育ちすぐに大きな株になってくれます。なのでもし勝手に生えている物を見つけたらなるべくその場所で殖やしてあげて下さいね。
ニオイスミレは夏葉がとても大きくなるので大型に育つ品種なら植木の下草(グラウンドカバー)としても使え、うちでは自らシャクナゲとツツジの根元に生えてきて大きな群生になっています。他の雑草が生えづらくなり土も飛びにくくなり根元の土が乾きにくくて良い物です。
ただうちのは遺伝的に香りが無い‘スルフレア’と言う品種(花がクリーム色から杏色へ変化)なので、色がシャクヤクや赤紫色のツツジの花色とケンカせず気に入っているのですが、香りが全く無いのが残念です・・・。
自給自足
2015/03/22(日) 02:37:59
[[解決]]
ばんざいうさぎさま、アドバイスありがとうございます。
私も下草替わりに増やしてみたいので、アドバイスにある
「湿った種子を寒さに長く当てます」ここに気を付けて
増やすのを試してみたいと思います。
香りについては、最近暖かくなり日当たりのよい場所に移したら、
なんと、今日はかすかに良い香りがしております。
やはりおっしゃる通り、気温なども関係していたのですね。
ひとつづつ疑問が解決できてありがたいです。
感謝申し上げます。
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