原種ジギタリスについて
hana
【関東】
2013/07/27(土) 00:44:09
3,4年前に買った原種のジギタリス、ミルクチョコレートという品種を育てています。
常緑で、葉っぱは大変元気ですが、一度も花を咲かせません。
株分けもして増えています。
他のジギタリスも沢山有るので、特に土や育て方に問題はないと思っています。
何か、原種特有の理由があるのか、個体差なのか、対処法があるのか、
アドバイスを頂けたら嬉しいです。
ばんざいうさぎ
2013/07/27(土) 12:41:03
ちゃんとした回答で申し訳ありませんが・・・。
hanaさんのお庭で他に植えられているジギタリスは園芸種の、主にパープレアから作られたものがほとんどではありませんか?日本で単にジギタリスとして売られている物のほとんどがこの種を元に改良され園芸品種が作られた物です。
他の種類のジギタリスも植えておられるなら、そちらの方はちゃんと花が咲いているでしょうか?特に他の種の原種もお持ちであれば、そちらの方の開花率は如何ですか?
ミルクチョコレートはパービフローラ種と言う、スペインに自生する原種とのことで、パープレアとは近縁ではありますが別種の野生種です。近縁種だと性質が少し違う事もしばしばですし、原種ですから海外での選抜はされていても日本での環境への馴化はあまり進んでいない物と思います。土地への馴化を人が行うなら実生苗で世代を繰り返し選抜するので少なくとも10年以上はかかります。
パープレア種であればかなりの昔から海外で盛んに品種改良の交配が行われて園芸化され現在の様な多彩な色の花を咲かせる様になり、また日本にも古くから導入されているので、最近日本に導入された海外の品種の物でない限りすでに日本の環境にも馴化してかなり育てやすい植物になっています。
外国の植物の中の特に原種の中には日本の植物の山野草の様に、同じ種類(先祖は同じ)であっても園芸化された植物の栽培と同じ扱いではうまく育たないとか開花しない物も多いと感じます(野生のキキョウと園芸化されたキキョウでは開花期までもが変えられています)。
動物で言えば野生のオオカミとペットの犬の様なもので、オオカミは原種で犬は改良しつくされた物。オオカミを犬と同じ扱いでは飼えないのと同じと感じます。
元々野生の人にまだ品種改良されていない植物は、すでに品種改良され尽くされた植物と同じ環境では都合の悪い部分が出易く感じます。
家畜化された動物や園芸化された植物というのは、元々自然界では生き残れない、表に現れても真っ先に淘汰されてしまうはずだった性質が人の庇護により大切に守られて性質を強調され、人の庇護があれば残れる形で殖えていってます。だから野性と人の作った物では同じ扱いをしても同じ様には花が咲かない事も多いのです。これは、もしパープレアの原種(野生種)が手に入ったとしても園芸品種と同じ扱いではうまく育たない可能性もあると言う事。
反対に、しっかりと園芸化された植物と言うのはしたたかなもので、人の手から離れ生き残った物が何代か実生を繰り返すと庇護されていた性質が消失し丈夫な物だけが生き残って殖えてきます。隠れていた元々の強い本能が再出現したもので「先祖がえり」もこの性質の一部です。日本のしぶとい外来植物にはこういう「園芸品種の子孫」と言う物も結構多いです。
動物でも例えば毛皮を利用するいろんな毛色のミンクは飼育施設のケージから脱走すれば、どんな毛色でも同じ個体が真っ黒な毛色に変化し平気で水に潜る様になります。元々ミンクの野生は黒い毛色で泳いで魚を獲りますが飼育されているミンクは大昔から飼育され檻で代々飼われ泳いだ事さえ無いはずなのに、野に出ればすぐに野生の本能が出てくるのです。こんなに適応能力の強いミンクが野生化する事で在来のテンやイタチには脅威になり問題になっています。(ちなみに北海道は植物・動物の外来生物が凄く多いのです・・・。)
今回は特に土に問題があるのでは?と感じます。パープレアとほぼ同じ栽培なら園芸種向けの栽培の為に土に養分が多すぎて、株が楽に栄養増殖できる為に花を咲かせないといけない危機感が欠如してしまった様に感じるのですが・・・。
野生植物は、過酷な環境に生えていていつ自らは枯れてしまうか解らないので子孫を残そうとどんどん花を咲かせ種子を作ろうとします。解放花から作られる種子は親株とは遺伝情報の一部に違いがあり、急な環境変化や病害にも強かったりします。栄養増殖と閉鎖花で出来る種子だと基本親の遺伝子と全く同じ物なので特に病害では全滅し易く、種子で少しでも違う性質のものを未来に残そうとします。野生の物は特に環境が過酷になると花を咲かせて種子を作ろうとする傾向が強いです(種子は休眠し発芽条件が揃わない限り長い年月生きたまま地中に残ります。)
栽培されたり何かの理由で充分過ぎる環境や養分が与えられると従来の生育サイクルなどが狂い栄養増殖の方にだけ力を入れるようになり花を咲かせなくなる性質のものも野生や原種には多いです。
もしhanaさんのお宅で園芸品種のジギタリスとほとんど扱いが同じであったなら、幸い複数株がある様ですからその中の一部で良いですから、為しに無堆肥・無肥料の土に植え替えて堆肥や肥料を与えるのを控えて管理してみて下さい。もしこの方法で咲いてくれれば、他の物も同じ様にしていけば植え替え後1〜2年くらいでかなり咲いてくれるはずです。
本当ならスペインの自生地の環境や土質などに少しでも近づければ確実なのですが、残念ながらそこまでの情報は調べても見つけられませんでした。
北海道の某公園ではパービフローラは自然風の植栽の様です。その公園は以前何度か行った事がありますが植物に合わせての温室やロックガーデンなどの人為的に作られた環境や園芸品種の花壇栽培以外、元々は野生種の植栽は林の縁などに自然風にしてあります。(特に公園の名前にも成っている百合の野生種は基本それぞれの自生地の様な環境に植えられています)改良された園芸品種の百合はちゃんと花壇に植えられ、きちんと野生種と園芸品種の植え分けが行われていました。これだと普段からの管理がかなり違う事がよく解ります。
ジギタリスのパーピフローラも原種なので、あまり手をかけず自然に近い方が、花が咲きやすい可能性があります。こういう物は手をかけるほど見事に咲きやすい園芸品種に慣れている方にはちょっと気難しいのかと感じます。
手をかけなくなって幸い花が咲く様になれば、これからはお住まいの土地に馴化させる為にも株分けでは無く種子で殖やすと良いですよ。種子で育てた中でも目立って丈夫な物を選抜しつつ代々実生を繰り返して丈夫な個体だけ残していくと、そのうちhanaさんのお庭でどんどん花を咲かせてくれるようになってくれるかもしれません。
hana
【関東】
2013/07/27(土) 13:31:40
ばんざいうさぎさん
有難うございました。
私の庭は、堆肥や有用菌を豊富に投入しているので、野生の地と条件が違うと思います。
また、バラや他の下草も多いので、その中にあると、施肥を控えても、どこからか養分が貰える環境かもしれません。
もともと日本の信頼できるナーサリーで販売された物なので、咲くはずの苗でした。
幸い今年も株分けできるくらい大きくなっているので、庭のあちらこちらで試験的に育ててみます。
花を咲かせた方の情報があれば嬉しいのですが。
hana
2013/08/01(木) 09:02:42
[[解決]]
山野草で有名なナーサリーで、咲く苗を販売しているので、きっとお持ちの方は多いのでしょうが、以降情報が無いようですので解決済みとします。
ばんざいうさぎさん、有難うございました。
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